世界中が待ったなしの問題として危機意識を持つ地球温暖化。大量にエネルギーを消費する東京には、世界中の人々の視線が注がれています。私たち一人ひとりが、 東京を取り巻く状況を知り、 賢い省エネ・節電を行うことが必要です。


世界の平均気温は、過去約130年で、0.85℃上昇しています。これは、石油や石炭などを燃やすことで排出される温室効果ガスが原因だといわれています。温室効果ガスとは、地球の表面から出る熱を吸収し、地球の気温を一定に保つ効果を持つ気体で、日本が排出している温室効果ガスの約90%は二酸化炭素です。今、地球では二酸化炭素などの温室効果ガスが増えすぎて、余分な熱が宇宙に放出されず地球にこもった状態になっているのです。


地球温暖化によって、様々な問題が起きるといわれています。
地球温暖化が進むと環境の変化に対応できない生きものは死んでしまったり、大雨などの異常気象が増えたりします。気候が変わることで洪水被害や食料不足を引き起こす可能性も高まります。
また、このまま地球温暖化が進むと、氷河が解けるなどして21世紀末頃までには最悪4.8℃の気温の上昇、0.82メートルの海面上昇が予測されます。海面上昇が1mになると、東京の江東区、墨田区、
江戸川区、葛飾区のほぼ全域が水没する被害を受けます。


私たちの暮らしに欠かすことのできないエネルギーは、主に天然ガスや石油、石炭などの化石燃料から作られています。しかし、これらを燃やすことで温室効果ガスが排出されています。主な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量は、 世界の人々の暮らしが豊かになるにつれて、また、人口の増加に伴って増えてきました。二酸化炭素の排出量を比較すると、日本は世界で5番目に多い国です。たくさんの人やものが集まる東京からもたくさんの二酸化炭素が出ています。


東京都のエネルギー消費量は、近年減ってきていますが、工場や自動車、ビルに比べて、家庭はあまり減っていません。家庭のエネルギー消費量は、都内の約30%で、そのほとんどが電力とガスの使用からきています。家庭で一番多くのエネルギーを使っているのは「給湯」です。ちょっとした手洗いやうがいはお湯ではなく水を使用する。シャワーの出しっ放しに注意する。そういったこまめな省エネの意識が大切です。




上手に、無理なく、長続きできる省エネ対策を習慣づけましょう。電気使用量のピークを見極めひかえるのも賢い電力の使い方です。

- 冷蔵庫の温度設定は、冬は「弱」、夏は「中」に設定しよう
- テレビの省エネモード・画面の輝度を下げよう
- 白熱電球などは、LED電球へ交換しよう
- エアコンは、室温が夏は「28℃」、冬は「20℃」になるようにしよう。扇風機、暖房器具を上手に使う
- 暑い日、寒い日には、エアコン使用の無理な我慢はしない
- エアコンやテレビ、照明など家電製品はつけっぱなしにしない
- たくさん電力が使用される時間帯(夏は14時前後、冬は17〜18時前後)に電気製品の使用をひかえる


熱を入れない、逃がさないために、「窓」は重要です。夏、カーテンやすだれで直接の日差しをさえぎれば、部屋の温度上昇をおさえ涼しい風を送り込むことができます。また、ヘチマやゴーヤ、朝顔など、つる性の植物をベランダや庭で育てましょう。「緑のカーテン」となり、夏の涼を楽しめます。江戸の知恵も活かして省エネに取り組んでみましょう。
